こんにちは。江坂相続遺言手続きセンターの司法書士上野です。
今回は遺言を作成したけれども、遺言者が死亡する前に先にもらう人が亡くなった場合のお話です。
例えばこんな遺言書があるとします。
遺言書
1、土地○○を妻○○に相続させる。
2、現金300万円を弟の○○に相続させる。
※遺言者には子供と直系尊属はいないものとします。
この遺言書を作成した後に弟が先になくなり、遺言者がその後亡くなったとします。
弟には娘がいました。遺言者からみると姪にあたります。
子供がいない場合の相続
子供がいない場合の配偶者の相続分は直系尊属が相続人になる場合と、兄弟姉妹が相続人になる場合とでもらえる財産の割合が変わってきます。
遺言者に子供がいない場合で、兄弟姉妹が相続人になるケースにおいて先に相続人である兄弟姉妹が亡く
なっている場合はその子供が相続人となります。これを代襲相続といいます。
冒頭で紹介した相続例では、兄弟姉妹が相続人となるケースでなおかつ弟が先に死亡しているため弟の娘
である、姪(遺言者からみると)も相続人となるということになります。
結論
財産をもらう予定(遺贈させるや相続させる)の人が遺言者よりも先になくなっている場合には効力は発
生しません。
また相続人や代襲相続人が代わりに財産をもらうこともできません。
この遺言では弟は300万ももらうことはできないですし、代襲相続人である姪も300万円をもらうこ
とはできません。300万円については相続人全員人の財産となり、姪が取得する場合には遺産分割協議
をする必要があります。
対策
せっかく遺言で財産を渡す予定の人をかいても、その人が先になくなってしまうこともあります。
その場合には遺言を書き直すという方法が一つあります。
また予備的遺言といって、財産を渡す予定の人が先に亡くなってしまったときは代わりに財産を渡す人を
書いておくとよいでしょう。
遺言書の作成は要件が厳格であり慎重に作成する必要がございます。