大阪府吹田市の上野司法書士事務所(江坂相続遺言手続きセンター)です。
たとえば自分が亡くなったときに相続税がかかってしまう可能性があるけれども、息子ももう成人順風満帆で特に財産も必要はないような場合、相続税対策も考えて孫への相続はどうでしょうか。
相続対策を考えた孫への贈与のお話です。
一代分の相続税を節約
親が子供に不動産等を贈与したとしても、その子供が死亡すれば子供から孫への相続が開始致しますが、親から自分の子供を飛び越して孫に贈与すると、親の財産が減るので子供が支払う相続税を減らすことが出来ます。それに加えて、その子供が亡くなった場合の孫の相続時の財産も減らすことが出来ますことになりますので一石二鳥ということができます。
3年以内の贈与も相続財産に戻さなくてもOK
配偶者や子供などの相続人に対して生前贈与を行った場合、相続開始前3年以内の贈与については相続財産に加えなければなりません。これは被相続人がなくなる直前に多額の贈与をして相続税を逃れるための取り扱いとなっています。ところが、相続人にならない孫に対する贈与は3年以内のものであっても相続財産に加算されません。そのため死亡する直前の贈与でも相続税がかからずにより多くの財産を残すことが可能となります。
したがって相続税のことを考えて贈与する場合は孫に贈与するほうが効果的といえます
具体的な例
孫が仮に3人いる場合にその孫に対して毎年贈与するなら、贈与税の基礎控除(年110万円)の範囲内でも、年間330万円(110万円×3人)が、10年間なら3300万円もの贈与が税負担なしにできてしまいます。
仮に3300万円に対して10パーセントの相続税がかかる場合は330万円の相続税がかかることになります。 基礎控除110万円だけで考えると節税になる額は大した額でないと感じられるかもしれませんが、長期間に複数の孫に贈与するなら数千万円の贈与ができることになります。ただし実行にあたっては、各種専門家に相談の上、相続税対策はする必要があるでしょう。
優先的な贈与財産
先ほどの孫への毎年の贈与をする場合について
親にいくつも資産がある場合の贈与をする場合悩まれるともいますが、考え方の一つとして将来値上がりしそうな不動産等の資産は、優先的に、贈与する方が有利でしょう。
その理由ですが相続税の財産の評価算定の基準は相続発生時になります。相続発生時には価格が安くなっているほうが税金は安くなります。そのため値上がりした資産を相続するよりは値下がりする資産を相続するほうが相続税の観点からは有効です。