不動産の相続登記をする場合に、法務局へ申請書の他に、お亡くなりになられた方や相続人の戸籍等、登録免許税の収入印紙(申請書へ貼付)を提出する必要があります。
また、遺産分割や相続放棄をされた場合は、別途、遺産分割協議書や相続放棄申述受理証明書の添付も必要となります。
被相続人(お亡くなりになられた方)の戸籍等
被相続人(お亡くなりになったかた)の死亡から出生に遡るまでの戸籍謄本等をすべて添付するのが原則とされます。
つまり、出生まで遡ることにより、他に子供が存在しないことを確認し、相続人を確定する必要がある為です。なお、注意が必要なのは被相続人に子供おらず、兄弟姉妹や甥や姪などが相続する場合です。
この場合は、相続人を確定させる場合、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等のみならず、被相続人の両親の出生から死亡までの戸籍謄本等や、兄弟姉妹(甥や姪が相続の場合)の出生から死亡までの戸籍謄本等の必要が生じます。
しかし、この出生まで遡る戸籍ですが、役所の保管期間や、焼失などの事情で、取得することができない場合があります。10歳程度ぐらいまで遡れば、相続登記は処理されることが多いようですが、法務局に事前に相談することをお勧め致します。
戸籍の請求先
戸籍等については、本籍地の役所に請求することにより取得します。郵送により取得することも可能です。
郵送の場合は、請求用紙と必要金額分の小為替、返信用封筒(切手貼付済)を送付して行いますが、事前に役所への問い合わせや、役所のホームページで請求方法を確認します。
通常、転籍(本籍地はにどこにでも置くことができ、本籍地を移動していた場合。)や婚姻、改製(戸籍の形式変更)等により、その都度新しい戸籍等が作成されますので、各本籍地で戸籍等を取得し、従前の本籍を確認し、遡って前の戸籍等を取得していきます。
また、被相続人の戸籍附票若しくは住民票の除票の写しも必要となります。これにより不動産の名義人と被相続人が同一人物であることを確認します。したがって、不動産の登記簿上の住所と被相続人の最後の住所が異なる場合、沿革が付くように、改製前の戸籍の原附票や、従前の住民票の除票の写しも原則として必要となります。
相続人の戸籍
相続人の戸籍も相続登記では必要となります。こちらは出生まで遡る必要はなく、現在の戸籍のみで結構です。また戸籍謄本ではなく、戸籍抄本でも構いません。ただし、相続人が相続開始時点で存在(生きていたこと)していることが必要ですので、被相続人が死亡した日以後に発行されたものであることが必要です。
相続人の住民票等
相続登記により登記名義人になる相続人については、戸籍附票若しくは住民票の写しも必要となります。(登記簿には氏名だけではなく住所も登記がされます)したがって法定相続(ここではすべての相続人名義人にする場合です)によって相続登記を入れる場合には相続人全員のものが必要となります。
なお、遺産分割協議により特定の相続人が名義人となる場合は、特定の相続人の戸籍附票若しくは住民票の写しがあれば登記上は足りますが、司法書士が手続きに関与する場合は、通常全員のものをご準備いただいております。
これは、遺産分割協議書添付の相続人全員の印鑑証明書(住所記載あり、本籍記載なし)と相続人の戸籍(住所記載なし、本籍地記載あり)のみでは、相続人か否かつながり(氏名、生年月日のみ)を確認することが不十分と考えられるからです。
戸籍附票若しくは住民票の写し(本籍記載のもの)の氏名、生年月日、住所、本籍を確認することによって相続人と遺産分割協議書に署名捺印の相続人が同一性を確認いたします。