■どこに申し立てるの?
相続放棄をしようとする者は、家庭裁判所に対し、相続放棄申述書を提出して行います。
なお、家庭裁判所は被相続人の最後の住所地の家庭裁判所とされています。
一般的は必要書類としては
・相続放棄申述書のほかに
・申立人(相続人)の戸籍謄本
・被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、原戸籍)謄本
・被相続人の住民票の除票です。
■誰ができるの?
相続人となりますが、相続放棄は各相続人が単独でできるとされています。
したがって相続人が複数の場合で、他の相続人が相続放棄しない場合でも、相続放棄する
ことが可能です。
ただし制限行為能力者(未成年者や成年被後見人などは)が有効に相続放棄をするためには同意もしくは法定代理人がしなければいけません。
また前述のとおり相続放棄の申述手続きは法定代理人がすることもできますが任意代理人(司法書士等)がすることも可能です。
■いつまでにすればいいの?
民法915条に規定がありますが相続人が、自分が相続人になったことを知った時から、3か月以内となっています。また、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所は、この期間を伸長できるとなっています。
「相続人になったことを知った時」からというのは原則として相続人が
相続開始の原因となる事実及び自己が相続人となったことを覚知したときとするのが判例です。(被相続人は死亡した事実に加えて、具体的に自分が相続人になったことを知った時)
単に被相続人(お亡くなりになった方)が死亡した事実を知っただけでは「自己が相続人となったことを覚知した」とはいえないので、3か月が経過していても相続放棄の申し立ては可能ということになります。
■もう3か月過ぎたが相続放棄はできないの?
民法の規定では、上記のとおり、3か月以内となっていますが、
家庭裁判所も3か月経過をもって相続放棄を一切認めない訳ではありません。
様々な事情を、考慮して、3か月経過後の相続放棄が認められる場合もあります。
■では相続開始前に相続放棄はできるの?
遺留分については相続開始の前に家庭裁判所に申立をすることによって放棄をするこができますが、相続放棄については相続開始前にすることはできません。
■相続放棄の効果
相続放棄がなされると相続人は相続開始の時にさかのぼって相続しなかったことになりま
す。
相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。
と民法939条で規定しています。