特別方式の遺言について

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特別方式の遺言について

相続関連、特例方式の遺言書作成

大阪府吹田市の上野司法書士事務所(江坂相続遺言手続きセンター)です。

 

ちょっと変わった特別方式の遺言

 

皆さんが「遺言」という言葉を聞いた際に、一般的にイメージするのは高齢になったり、病気になったりした際に事前に、じっくり内容を考えて作成するものではないでしょうか。

別ページでもご案内していますが、この遺言は普通方式と呼ばれるもので、「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」といったものがあります。

 

それでは、これ以外にも遺言ってあるの?実はあります。特別方式と呼ばれるもので、一般的にはこの遺言方式を利用することはないと思いますが、知っておくことで、いざって時に役に立つかもしれませんので、頭の片隅に残していただければ幸いです。

 

この特別方式による遺言には「死亡の危急に迫った者の遺言」、「伝染病隔離者の遺言」、「在船者の遺言」、「船舶遭難者の遺言」の4種類が民法に規定されています。

 

死亡の危急に迫った者の遺言・民法976条

 

疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとする時は、

証人3人以上の立会いのもとに、その一人の証人に遺言の趣旨を口授することによって遺言をすることができるとされています。遺言者が口をきけない場合は通訳者によることもできます。

 

伝染病隔離者の遺言・民法977条

 

伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所にいる者は、警察官1人と証人1人以上の立会いのもとに遺言書を作ることができるとされています。

条文上は伝染病のためとされていますが、地震等によって交通が遮断されている場合にも利用できると解されています。

 

在船者の遺言・民法978条

 

船舶中に在る者は、船長又は事務員1人と証人2人以上の立会いのもとに遺言書を作ることができるとされています。

 

船舶遭難者の遺言・民法979条

 

船舶が遭難した場合において、当該船舶中に在って死亡の危急に迫った者は、証人2人以上の立会いのもとに口頭で遺言をすることができるとされています。遺言者が口をきけない場合は通訳者によることもできます。

 

上記の4種類の特別方式の遺言は、普通方式の遺言が作成することができない事情のもとで、簡易な方式によることが認められている反面、遺言者が普通方式による遺言ができるようになったときから6カ月間生存する時は、効力を生じないなどの制限もあります。

 

せっかく遺言したのに効力が生じないでは意味がなくなってしまいますので注意が必要ですね。

今回は4種類の概略のみご案内となりましたが、詳しくは、またご案内したいと思います。

 

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