【司法書士監修】遺言書で指定した相続人が先に死亡した場合の対処法
遺言書を作成した後、指定した相続人や受遺者が先に亡くなってしまうケースは少なくありません。本記事では、そうした場合に遺言がどのように扱われるのか、代襲相続が適用されるかどうか、そしてその対策方法について司法書士監修のもと解説します。
代襲相続とは?
代襲相続とは、被相続人よりも先に相続人が亡くなった場合、その子(直系卑属)が代わって相続する制度です。
- 例:被相続人Aの長男XがAより先に亡くなった場合 → Xの子(孫)が代襲相続人
- 対象:第一順位(子・孫)、第三順位(兄弟姉妹→甥・姪)
ただし、相続放棄をした場合は代襲相続は発生しません。
遺言書で指定した人が先に亡くなった場合は代襲相続されない
遺言書で指定された相続人や受遺者が先に亡くなっていた場合、その部分は無効となり、法定相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。
民法第994条
遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。
代襲相続のように自動的に子へ引き継がれるわけではないため、注意が必要です。
対策方法:想定外の無効を防ぐために
1. 予備的遺言を記載する
「長男Xに相続させる。ただしXが死亡している場合は孫Tに相続させる」といった形で、次点の相続人を指定しておくと安心です。
2. 遺言書を書き直す
遺言書は何度でも書き直すことが可能です。最新の日付の遺言書が有効となります。特に公正証書遺言は確実性が高いためおすすめです。
3. 生前贈与を行う
相続ではなく生前贈与を選択することで、意図通りに財産を移転できます。
- 暦年贈与:110万円/年まで非課税
- 相続時精算課税制度:2,500万円+110万円まで非課税
ただし、税務上の注意点があるため、税理士への相談もおすすめします。
まとめ:遺言の無効を防ぐために
遺言書は相続をスムーズに行うための有効な手段ですが、予期せぬ出来事によってその一部が無効になる可能性があります。
特に、予備的遺言の記載や定期的な内容の見直しが重要です。可能な限り公正証書遺言を活用し、法的な不備を避けましょう。
上野司法書士事務所では、遺言書作成から相続手続きまでトータルにサポートしております。相続について不安のある方は、お気軽にご相談ください。
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